ここに通ってくる生徒たちの中には
強いこだわりがあって、
そのために周りに反発するような
行動をとってしまったり
気分の落ち込みから愚痴を言い続けたり
なかなか学校に来れなかったりと
1年目はこの新しい社会に慣れるために
生徒本人もスタッフも奮闘します。
だけど…
1年が経ち、気が付くと
『あの子って、そう言えば去年の今頃は
すぐ感情が表に出てたよね~。
今年は随分と自分をコントロール出来るようになったね』
とか
『今年はあの子、登校日数が増えたよね~』
といった変化が、どの子にも表れます。
それは、毎日の生活の中では
すぐにはわからないような、
とてもとても小さな変化の積み重ねです。
でも確実に積み重なっていく変化は、
1年位経つと目に見えた大きな変化として
私たちスタッフも感じることが出来ます。
これは、教室という小さな小さな社会で
色んな人…自分と同年代の人や親と同世代の大人…と
日々関わり合う中で、人との距離感や
自分の感情の新しい表現方法(気持ちのコントロール)、
自分の中のさらなる許容出来る物などを
獲得していきます。
去年より今年、
今年より来年、
そしてそれよりも社会に旅立った後…
ここで誰しもが自分も認められながら人と関わることで、
年々頼もしくなっていきます。
入学して1年未満の生徒が
ちょっとネガティブになって暴走しかけたので
今日来るかな~と気がかりだったんですが
朝から元気に登校してきて楽しそうに友達と過ごしています。
生活ルールが身についていない生徒も、
しっかりと話し合う事で少しずつ、
ルールが身についてきました。
1年以上通ってきている生徒は、
まるで憑き物が落ちたように今日はたくさん
楽しそうにお喋りしてくれました。
入学当時には仕切りで囲って一人きりで過ごしていた3年生は
今ではたくさんの友達に囲まれて話題の中心となっています。
また、教室に通って来れなかった別の3年生は
今では週の半分以上は教室に通って来れる様になりました。
もちろん私たちスタッフも、
日々そういう彼らの成長に触れ合う事で
気付かせてもらっていることがたくさんあります。
そう言う意味では、
ここは小さくて大きなピアサポートが
ゆるい形で出来上がっている場と言えるのかもしれません。
彼らの成長には、長い長い時間がかかる場合もあるでしょう。
だからこそ、長い目で見守ってあげたいですね。
お陰様で今年からスタートしたゆめ~るカフェは
卒業生の子たちが毎回たくさん遊びに来てくれます。
そしてその成長を見るたびに、
嬉しい気持ちにさせてもらっているのは
私達かもしれません。