こんにちは!ふじもん@サラエボでございます!
 
さて、今回の写真をご覧になって下さい。何てことのない普通の橋なのですが、たくさんの花が手向けられています。どうしてなのか?実は内戦時の、とても悲しい実話があるんです。
 
内戦当時、あるカップルがいました。そのカップルは男性がセルビア人、女性がボスニア人だったのです。
 
内戦前はセルビア人もボスニア人も、そしてクロアチア人もみんな共存していました。それぞれの民族が隣近所に普通に住んでいたのです。この2人も、内戦前は普通に会うことができました。
 
内戦が始まると、セルビア人VSボスニア人・クロアチア人の様相を呈して来ました。するとこの2人は敵同士ということになってしまうのです。しかし彼氏は、彼女とその家族を守ろうと、セルビア人ながらボスニア人側の彼女の家族と一緒に住んでいたのです。
 
でもそんな生活を長く続けることはできません。そしてある日、意を決した男性は、彼女を連れて安全な郊外に逃げようと決心します。しかしそのためには、セルビア人に包囲されている「この橋」を通らなければならなかったのです。
 
男性は果敢にその橋を渡ろうとしました。しかし・・・無残にも、スナイパーによって射殺されてしまうのです。それを見た彼女は男性の下へと橋に近付いたのですが、なんと彼女も撃たれてしまったのです。
 
その橋には、常にスナイパーの銃口が向いていました。そのため誰も彼らの死体を回収することすら出来ず、1週間以上放置せざるを得なかったというのです。なんと悲しい話でしょうか・・・。
 
そんな実話がこのサラエボにはあるんです。ですから、今でも写真のように多くの人が花を手向けているんですね。
 
平和とは一体何なのか。日本人としてもう一度しっかり考え直したいと、この話を聞いて強く思いました。
 
ふじもん